ひと昔前だと、「おひとりさま」「ボッチ飯」など、1人であちこち出かけることに対してネガティブなイメージを持たれがちでした。しかしここ数年で、徐々に「1人でいること=余暇を大切にしている」「1人でいられる人=強い」などのポジティブなイメージへと変わりつつあります。また1人客の利用増加を見込んでさまざまなサービスが出てきており、コロナ禍に突入した2020年春以降は、その流れが加速しています。

今回はソロ活について、メリットや活動例を交えて解説します。

ソロ活とは?

ソロ活とは、複数人で楽しむことが多い外食やレジャーをあえて1人(=ソロ)で満喫しようとするポジティブな動きです。ドラマ「孤独のグルメ」や「ソロ活女子のススメ」(2019年・朝井麻由美著、大和書房)という本と映像化、長引くコロナ禍で大人数で集まって何かをすることがしづらい風潮も追い風となって、ちょっとしたブームになっています。ただ「ソロ活=1人でいなきゃいけない」ということはありません。出かけた先で交流するのももちろんアリです。

ソロ活のメリット

ではソロ活には、どんなメリットがあるのでしょうか。

好きなときに、好きなところへ行ける

誰かと出かけたり何かをしようとしたりするとき、全員のスケジュールや希望を聞いてまとめなければいけません。メッセージを投げてもなかなか反応がない、急な用事が入って当日キャンセルが出る、グループの中にどうしても気が合わない人がいるなどといった場面で、不満を抱えてしまう。ソロ活ならそういったストレスから解放されます。好きな時間に行きたいところへ行けるし、目的地に着いても好きなだけいられます。

お金を自分のためだけに使える

例えば居酒屋やカラオケ。会計のときに割り勘と言われて支払い、「あまり食べて(または飲んで)ないけどな……」なんて、家に帰ってからもモヤモヤしてしまったり嫌な思いをしたりしたことはありませんか?逆に一番飲み食いをして、他の人に申し訳ない、なんて思いをしたこともあるかもしれません。ソロ活なら、自分のためだけにお金を使えます。自分で選んだもの・ことに対して支払うので、納得感があります。

気を使わなくて済む

人と出かけた日、家に帰ってからちょっとホッとしたという人もいるかもしれません。そういった人は、「友人といるときはアトラクション重視」とか「雰囲気に合わせなきゃ」など、無意識のうちにどこかで気を使ってる可能性があります。ソロ活は何かをするにも人に気を使わなくて済むし、料理や自然、アート作品、音楽などとじっくりと向き合えて、五感を深く満たします。

画像: www.workit.jp
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ソロ活活動例

ここからは、オススメのソロ活をいくつかご紹介します。

映画館

大型のスクリーンや音響設備が整っているところや、オールナイトで上映しているところなど、都心部にはさまざまな映画館が数多く存在します。観たい映画が友人の好みや興味に合わないな……と感じたら、まずは1人で行ってみましょう。映画を観ている間は誰も話しかけてこないし、じっくりと映画の世界に没頭できます。映画館をはしごしたり、同じ映画を何回も観たりといった楽しみ方も可能です。

美術館・博物館

美術館や博物館も、ソロ活に向いているスポットです。企画展と常設展があり、フロアをゆっくり歩きながら展示してある絵画や彫刻を1点1点じっくりと眺めるもよし、観たいエリアだけサクッと行ってくるもよし。企画展のチケットがあれば常設展を少しお得に観られるので、アート鑑賞に興味がある人はぜひトライしてみてください。

カラオケ

1人カラオケのお店が増えてきたこともあり、カラオケはとってはいいことづくめです。大人数でカラオケに行くと、場の空気に合わせて歌う曲や順番を考えて、歌おうとしてた曲を先に歌われてしまったり……なんてことが起きがちです。1人でカラオケに行くと、自分が歌った曲で「えっ、知らない……」「歌下手だよね……」なんて反応をされることはもちろんありませんし、歌いたい曲を好きな順番で歌っていいのです。またカラオケに行って歌わずにドリンクやフードをオーダーして帰る、なんて方もいるほどです。

回転寿司

回転寿司屋さんには、カウンター席とテーブル席があり、受付で希望する席を選べます。平日の昼過ぎの空いている時間だと、テーブル席に通してくれることもあります。カフェメニューを充実させる、いわゆる「映え」を意識した内装にするなど、各回転寿司チェーンはさまざまな改革を行っています。注文するときも店員さんと会話せずにタッチパネルからオーダーできます。平日の開店直後からランチタイム以降は1人で利用している方を割とよく見かけるので、おススメです。

焼肉

一緒に行ったときに「私この部位苦手」と言われたりたくさん食べたいけど、支払いのときに払わせてしまったりするなどしてつい我慢しがちです。一方で、ドラマでも1人で焼肉を楽しむシーンが描かれることがあるものの、まだまだハードルが高い印象の焼肉。1人で焼肉を利用する人のために、カウンター席があったり仕切りで区切られていたりと1人でも気軽に行ける焼肉屋さんが増えてきました。

飲み屋

1人で飲み屋さんに入るのは、ソロ活の上級と言っても過言ではありません。もし挑戦したいときは例えばカウンター席がある、店主や店員が必要以上に干渉してこない、もしくは小さいお店で店主や他の客と会話できる、立ち飲みできるなど、自分の希望とお店の特徴とを照らし合わせながらお店を選びましょう。

テーマパーク

家族連れや友人・恋人同士など、集団での利用のイメージが強いテーマパークも、1人で来ている人が割と多くいるスポットです。誰かと行ったときはジェットコースターやメリーゴーランドをはじめとしたアトラクションやショー、イベント、ショップなど行きたいところが分かれがちだし、歩き疲れたときに気軽に休憩しづらいところがあります。遊びたいアトラクションを選んで好きなだけ遊べるし、自分のペースでパーク内を散策できます。

スポーツ観戦

スタジアムやアリーナでのスポーツ観戦は、徐々に人数や声出し応援などの制限が解除されつつあります。推しのチームや推し選手がいる人だけでなく、スタジアム周辺にあるグルメスポットやイベントスペースなど、単にスポーツを観に来たという人でも楽しめる場所が豊富です。隣り合った人とついハイタッチしてしまい、気がつけばそのチームを応援してる、なんてこともあるかもしれません。また、スタジアムやアリーナに行きづらい人にはスポーツバーもオススメです。

参考:

人生のいいときも悪いときも、キングスがいつもそばに~兼本絵梨子さんと島袋亜梨朱さんインタビュー

「サッカー観戦」が仕事の原動力に-年間100試合スタジアム観戦をするFJまりこさんに聞いてみた-

いろんな人と喜怒哀楽を共有できる、サッカーの魅力を広めたい~

「ゴール裏は、本当の私でいられる場所」松村ゆきさんインタビュー

コンサート・ライブ

スポーツ観戦同様に、ステージ上にいる演奏者の呼びかけに対して返答する、演奏者の名前を呼ぶなど声を出しての反応ができるようになりつつあるコンサートやライブ。複数人と連れ立ってきている人ももちろんいますが、推しをしっかり応援したい、友達と推しが被って(または違うので)ツラい、特に推しはいないけど演奏をじっくり聴きたいなどの理由から、1人で来ている人も結構います。

参考:

推し活をしている自分こそが、私のアイデンティティ~石郷由貴さんインタビュー~

推しは生活の一部。人生にプラスしかない。

旅行

日本各地や世界の国々に1人で旅行する、いわゆるひとり旅は行きたいところも滞在日数も自由に決められるうえ好きなペースでスポットめぐりができます。現地の食べ物やアクティビティにトライしたくても、一緒に旅行する人が難色を示せば、我慢せざるを得ないことも。ひとり旅はそういったことがないので、思う存分自分が食べたいものを食べて、経験したいアクティビティにもトライできます。

キャンプ

キャンプはどちらかというと、ソロ活上級者向けと言ってもいいかもしれません。キャンプ場やグランピング施設でキャンプをする場合、管理棟などでチェックイン・アウトする以外で基本的に人と話すことはありません。ゆったりと過ぎていく時間や四季の移ろい、天気を肌で感じながら、大自然の中に身を置いてみると、いろいろな発見がありそうです。

まとめ

普段の生活の中で、仕事や家事、育児、介護に追われていると疲れてしまい、それまで楽しいと思えたことが楽しくなくなる、自分が分からなくなるという経験を、誰しも1度は経験するでしょう。そんなとき、ちょっとした逃げ場や、1人になって静かに自分を見つめ直せる場があれば、人は元気を取り戻せます。1人の利用者が多いカフェからまずははじめてみて、そこを取っ掛かりにここや「ソロ活女子のススメ」で紹介していることに少しずつトライしてみましょう。

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