みなさんはMicrosoft Excel(以下、Excel)の「ピボットテーブル」機能を使ったことはありますか?聞き慣れない名前で、難しい機能だと思うかもしれません。しかし、この機能はボタンをクリックするだけで膨大なデータの集計や分析を実現する、非常に便利なものなのです。さらに、便利なだけでなく、業務の効率化にも大きく役立ちます。操作もとても簡単なので、まだ使ったことがない方は、今回ご紹介する基本的な使い方を見ながら、ぜひ試してみてください。
ピボットテーブルとは
ピボットテーブルは、Excelの機能の一つで、膨大なデータを関数などを使わずに簡単に集計したり分析したりすることができます。項目ごとの集計や、表の行と列の入れ替え、グラフの作成などがマウス一つで完結してしまうのです。
項目やデータの数が多い場合に特に強みを発揮する機能で、関数を使って集計する場合とでは圧倒的にかかる時間も手間も変わります。難しい操作も必要ないので、業務効率化のためには必須の機能です。さらに、データの更新も簡単なので、一度フォーマットを作れば長期的に使うことができ、長い目で見てもその効果は絶大です。
実践!基本的な使い方
①分析、集計したいデータを表にします。その際、次の点に注意しましょう。ピボットテーブルを作るために重要なポイントです。
・各列の項目名をすべて入力する
・表の中に結合セルをつくらない
・1つのセルにつき1件のデータのみ入力する
・表の中に空白のセルをつくらない
・1つの列には同じ種類のデータを入力する(文字列と数字を混同しない)
②表の中のどこかのセルを選択し、「挿入」タブにある「ピボットテーブル」のメニューをクリックします。
③表示される「テーブルまたは範囲からのピボットテーブル」ダイアログボックスで、データの範囲が正しいかを確認し、「OK」ボタンをクリックする。
すると、ピボットテーブルがシート上に挿入され、右側に「ピボットテーブルのフィールド」のメニューが表示されます。また、フィールド内上部にはデータの項目(フィールド)が表示されています。
④分析したいデータに合わせて、「ピボットテーブルのフィールド」下部にあるボックスに項目をドラッグ&ドロップします。「行」と「列」に何を指定するかや、その順番によってピボットテーブルの形が大きく異なるので、入れ替えたり表示する項目を変えたりして、見たい情報が見られるように操作しましょう。
▼商品コードごとに個数と合計金額を表示
▼発注日ごとに個数、単価、合計金額を表示
▼商品と受注日ごとに個数を表示
知っておきたい使い方
■データの更新
ピボットテーブルのもとになるデータに新たなデータの追加や変更があった場合は、データの更新が必要です。その際には、ピボットテーブル内の任意のセルを右クリックし、「更新」をクリックするだけで完了します。
■並べ替え
並べ替えたい場合は、表の項目名の横にあるプルダウンボタンをクリックします。すると、「昇順」「降順」の並べ替えやその他のオプション、フィルター等を設定することができます。これもピボットテーブルと同様、何度でも変えることが可能です。
■グラフの作成
ピボットテーブルでは、棒グラフや円グラフなどの様々な形のグラフを簡単に作ることができます。ピボットテーブルを作成後、「ピボットテーブル分析」タブにある「ピボットグラフ」のメニューをクリックします。
すると、「グラフの挿入」ダイアログボックスが表示され、様々なグラフの中から選択することができます。あとは「OK」をクリックするだけで、グラフが挿入されます。
■「おすすめピボットテーブル」機能
どの項目をどのように使えばよいか困った場合は、「おすすめピボットテーブル」機能を使ってみましょう。
「ピボットテーブル分析」タブから「おすすめピボットテーブル」メニューを選択すると、おすすめの集計方法を自動で提案してくれます。簡単に効果的なピボットテーブルを作ることができ、さらにそこから自由に組み替えて、理想のピボットテーブルを作ることも可能です。
さいごに
今回は、ピボットテーブルの基本的な操作方法をご紹介しました。これ以外にも様々な機能があり、見た目のカスタマイズなども可能で、活用の幅はもっと広いのです。ピボットテーブルは直感的に使いやすいのが魅力ですから、色々試してみながら「こんなこともできるかな」と思ったことを調べつつ、どんどん自分のものにしていきましょう。ピボットテーブルテーブルをマスターした暁には、Excel業務にかかる時間が圧倒的に短くなっていること間違いなしです。