DX(デジタルトランスフォーメーション)やITについて調べると必ずと言っていいほど目にする、「クラウド」「システム」「サーバー」といった用語。

「カタカナや英語の言葉ばかりで、内容についていけない!」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?

DXというと、最先端の技術や大規模な改革をイメージしがちですが、日常にある「もっとこうだったらいいのに」を実現する、もっと身近なものなのです。だからこそ、その土台は身近な基礎知識から作り上げられていきます。

本記事から4回にわたり、基礎から実践まで、DXの基礎知識を解説します。ポイントは「この知識や言葉が身の回りにどう関係するか」。技術的な説明ではなく、「これがあなたの生活や仕事をどう便利にしているか」に焦点を当てて解説します。

第一回は、DXの最も基礎となる、必ず知っておきたい基本用語を整理しました。

▼目次

デジタルの基本要素

データ(Data)

データとは、数字や事実、文字などの集まりのことです。文字や数字だけでなく、写真や動画、音楽といった情報も含まれ、スマホで撮った写真やSNSの投稿もすべてデータです。

ビジネスでは売上記録や顧客リスト、在庫数などが日々データとして蓄積され、それらを分析することで「次にどんな商品が売れそうか」といった意思決定につながります。データは、ビジネスの未来を描くための判断材料として欠かせない存在なのです。

なぜ重要?
蓄積・分析することでビジネスの傾向を把握し、客観的な意思決定の根拠となるため

システム(System)

システムとは、一言で表すと「○○をする仕組み」のことです。多数の要素が集まって互いに関連し合い、特定の機能や目的を果たす仕組みを意味します。例えば、銀行のATMや駅の改札機、ネット通販の注文処理などもシステムの一例です。会社では経費精算や勤怠管理、顧客管理など多くの業務システムが導入されています。

人が行うと時間がかかる作業も、システムを使えば効率的かつ正確に処理できます。日常生活や仕事がスムーズにできるのもシステムが動いてくれているおかげなのです。

なぜ重要?
複雑な業務プロセスを自動化・効率化し、人為的ミスを減らす基盤となるため

サーバー(Server)

サーバーとは、インターネットを介して他のコンピュータに情報やサービスを提供する(= serve)コンピュータです。情報やシステムを稼働させる土台となる部分のため、これがないとネットを使ったサービスを提供することはできません。

YouTubeで動画を観られるのも、ネットショッピングを楽しめるのもサーバーが動いているおかげなのです。仕事では社内のファイルを保管するファイルサーバーや、会社のWebサイトを公開するWebサーバーなどが利用されています。

なぜ重要?
ウェブサイトの公開やインターネットサービス提供の基盤であり、組織の重要なデータを一箇所で管理し、
誰もが同じデータにアクセスするための中心的な役割を果たすため

クライアント(Client)

クライアントとは、ネットワークに接続してサービスを利用する側のコンピュータやソフトウェアです。サービスを提供する側が「サーバー」で、それを利用するのが「クライアント」とイメージすると分かりやすいです。私たちが普段使うPCやスマホ、Webブラウザはすべてクライアントです。

PCから社内サーバーの資料にアクセスしたり、ブラウザからサービスを利用したりする際、クライアントはサーバーに処理の要求(リクエスト)を送っており、それによってネットワークを通じたやりとりができるようになっています。

なぜ重要?
サーバーとクライアントの関係は、インターネットサービスの基本構造。
これを理解するとITの仕組みが分かりやすくなるため

シンクライアント(Thin Client)

シンクライアントとは、パソコンの端末自体にはデータやアプリケーションを持たせず、ほとんど全ての情報の管理や処理をサーバーで行う仕組みです。図書館の検索専用端末やコールセンターのPCがその例です。会社では仮想デスクトップを利用したテレワークや、セキュリティを重視する金融機関で導入されています。

なぜ重要?
端末にデータを保存しないため情報漏えいのリスクが低く、
管理者がサーバーを一元管理できるため運用コストを削減できるから

ネットワーク(Network)

ネットワークとは、コンピュータ同士をつなぎ、データをやり取りできる仕組みです。例えば、家庭のWi-Fiやスマホの5G回線もネットワークの一種です。ネットワークに接続することで、動画視聴やオンラインゲームを楽しむことができます。

会社では本社と支社をつなげたり、在宅勤務で会社のシステムにアクセスしたりするときに利用されます。ネットワークがあることで、場所を問わず情報共有ができ、多様な働き方を実現できるのです。

なぜ重要?
場所を問わず情報共有を可能にし、現代の多様な働き方を支える必須インフラであるため

クラウド(Cloud)

クラウドとは、インターネット経由でサーバーやサービスを利用できる仕組みです。インターネットさえあれば利用できるため、PCにソフトウェアをダウンロードしたり、サーバーを構築したりする必要はありません。GmailやiCloud、Netflixなどもクラウドサービスで、私たちは既に日常的に使っているものです。

会社では、業務システムの基盤やオンライン保存、Web会議に利用されます。自社で機材を持たずに必要な分だけ利用できるのでコストを抑えながらビジネスをスピーディーに展開できます。

なぜ重要?
サーバーなど高価な機器を自社で所有せずに利用できる上、必要な時に必要な分だけ使うことができるため、
ビジネスのスピードを劇的に加速させることができるから

オンプレミス(On-premises)

オンプレミスとは、サーバーなどのインフラを自社施設内に設置し、自分たちで運用する形態です。社内のサーバールームや大学の大型コンピュータがその例です。現在はクラウドが主流になっていますが、インターネットに接続する必要がないことなどから、今でもセキュリティが重視される場面では選ばれています。

なぜ重要?
クラウドと比較することで、自社に最適なITインフラは何かを考える出発点となるため

アプリケーション(Application)

アプリケーション(アプリ)とは、特定の作業や目的を果たすために作られたソフトウェアです。LINEやInstagram、メルカリなど身近なものもアプリです。仕事では経費精算や勤怠管理、営業活動を支援するアプリがあり、業務を効率化してくれます。アプリは「便利な道具箱」のような存在で、使いこなすほど仕事がスムーズになります。

なぜ重要?
特定の機能や業務に特化しており作業を効率化・自動化でき、
アプリケーション上でデータが集中管理されて属人化を防げるため

ブラウザ(Web Browser)

ブラウザは、インターネット上のWebページを表示するためのソフトウェアです。ChromeやSafari、Edgeなどが代表的です。社内システムやクラウドサービスへのアクセス、調べ物をする際にも欠かせません。ブラウザは「インターネットへの入り口」であり、現代の仕事において不可欠な存在です。

なぜ重要?
現代の多くの仕事において、Webサービスを利用するための入り口となるため

インターネットへの安全な接続

Wi-Fi(Wireless LAN)

Wi-Fiとは、ケーブルを使わずにネットワークへ接続できる無線通信技術です。家庭のルーターやカフェのフリーWi-Fiが身近な例です。オフィスでは会議室でのプレゼンや社内での移動にも便利です。配線が不要になり、柔軟な働き方を実現できるのが魅力です。

何が便利?
オフィス内の配線が不要になり、フリーアドレスなど柔軟な働き方を実現できるため

ログイン(Login)

ログインとは、ユーザー名やパスワードで本人確認を行い、システムへ接続することです。SNSやネットバンキングの利用時にも欠かせません。仕事では社内システムへアクセスする際に利用され、安全に作業環境を確保します。許可された人だけが利用できるようにする、セキュリティの第一関門です。

なぜ重要?
本人確認をすることにより、個人情報やデータを不正アクセスや情報漏えいから保護したり、
ユーザーの権限に合わせて利用できる機能を変えたりできるため

VPN(Virtual Private Network)

VPNとは、インターネット上に特定の人だけが使える仮想の専用回線を作り、安全な通信を確保する仕組みです。海外から日本の動画サービスにアクセスする場合や、フリーWi-Fiを安全に使う際に利用されます。仕事では在宅勤務や外出先から会社ネットワークに接続するときに欠かせません。公共の回線でも安心して使えるのが大きなメリットです。

なぜ重要?
公衆のインターネット回線を使っても安全な通信経路を確保できるため

自分のデータを守り、活かす

バックアップ(Backup)

バックアップとは、万が一に備えてデータを別の場所に保存することです。例えば、スマホの写真をクラウドに保存したり、PCデータを外付けHDDに保存したりするのがバックアップにあたります。仕事では重要データを定期的にコピーしておくことで、災害やトラブルがあっても復旧でき、事業を継続できます。

なぜ必要?
機器の故障、災害、サイバー攻撃などの不測の事態が起きても、
データを復旧させて事業を継続できるようにするため

ログ(Log)

ログとは、システムの動作や利用履歴を記録したデータです。スマホの通話履歴やブラウザの閲覧履歴もログの一種です。仕事ではシステム障害の原因調査や不正アクセスの監視に活用されます。トラブル発生時の手がかりになる、大切な記録です。

なぜ重要?
問題が発生した際に、原因を特定し、再発を防止するための重要な手がかりとなるため

バージョン(Version)

バージョンとは、ソフトウェアやファイルが最初に開発されてから何回改訂・更新されたかを示すものです。一般的には「バージョン1.0」のように数字で示し、更新するたびに数字を上げていきます。iOSやWindowsの更新、アプリのアップデート通知はバージョン管理の例です。仕事では資料やシステムの最新版を共有する際に重要で、誤解や混乱を防ぎます。

なぜ重要?
変更内容を正確に把握し、関係者全員が同じ最新版の情報を共有するために必要だから

ファイル共有(File Sharing)

ファイル共有とは、ネットワークなどを通じて複数のユーザーが同じファイルにアクセス・編集できる仕組みです。インターネットにつなげばいつでもどこでも利用可能で、同時に編集することができます。iCloudやGoogleフォトなど日常生活でも身近な存在で、ビジネスにおいてもGoogleドライブやDropboxなどが使われています。

何が便利?
メール等でファイルを何度も送り合う手間をなくし、常に最新版の情報を共有できるため

ストレージ(Storage)

ストレージとは、データを保存する場所のことです。PC内蔵のHDDやSSD、USBメモリなどが例です。スマホで撮影した写真や、仕事で作成した資料といったデータを保存する「保管庫」の役割を持ち、データ管理の基本となる存在です。

なぜ重要?
あらゆるデジタルデータの「保管庫」であり、データ管理の最も基本的な概念であるため

クラウドストレージ(Cloud Storage)

クラウドストレージは、インターネット経由で利用できるストレージです。GoogleドライブやiCloudなどが代表的です。どこからでもアクセスでき、PC本体の容量を気にせず利用できます。現代のデータ管理の主流となっています。

何が便利?
PC本体の容量を気にせず、どこからでもファイルにアクセスできるため

最低限のセキュリティ知識

セキュリティ(Security)

セキュリティとは、情報やシステムを守るための対策全般を指します。スマホの画面ロックやウイルス対策ソフトもその一部です。仕事では顧客情報や機密データを守ることが重要で、情報漏洩は企業の信用を一気に失うリスクもあるため、セキュリティ対策は欠かせません。まさに信頼の土台となるものです。

なぜ必要?
情報漏洩は企業の信用を失墜させ、事業継続を困難にする可能性があるため企業の信頼の土台となるから

パスワード管理(Password Management)

パスワード管理とは、アカウントに対するパスワードを安全に管理することです。さまざまなサービスやツールを使う中で、複数のアカウント情報を扱うことになります。そこで、適切なパスワード管理をし、情報資産を守るのです。Chromeの保存機能や専用アプリがその例です。仕事では定期的な変更や一括管理が必要で、複雑なパスワードを無理なく使えるようにします。安易な使い回しを防ぐ大切な習慣です。

なぜ必要?
複雑なパスワードを安全に管理し、安易なパスワードの使い回しによる不正利用を防止するため

二段階認証(Two-Factor Authentication)

二段階認証とは、パスワードに加えてSMSコードや指紋認証など別の要素で本人確認を行う仕組みです。LINEやネットバンキングのワンタイムパスワードがその例です。万が一パスワードが漏れても、不正ログインを防げる強力なセキュリティ対策です。

なぜ重要?
万が一パスワードが漏洩しても、不正ログインを防ぐことができる、非常に強力なセキュリティ対策だから

電子署名(Electronic Signature)

電子署名とは、デジタル文書が本人によって作成され、改ざんされていないことを証明する技術です。オンライン契約や電子申請で利用されています。仕事では契約や稟議の電子締結に活用され、印刷や郵送の手間を省き、スピーディーに業務を進められます。

なぜ重要?
契約書の印刷・郵送・保管コストを削減し、契約締結までの時間を大幅に短縮できるため

まとめ

DXの基本となる用語を紹介しましたが、実はこれらはデジタル時代の今の生活や仕事においても基礎となる非常に身近なものです。

DXはチームや組織で進めるものですが、その基盤となるのは一人ひとりのリテラシーです。今回紹介した30個をしっかりと押さえておけば、基礎はばっちりです。これを起点にして、少しずつ土台を固めていきましょう。

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