推し活の楽しみは成長の過程を一緒に見ること-ソフトバンクホークス推し清水結希さんインタビュー-

推し活における楽しみ方には様々な形があります。パフォーマンスを見ることや、歌や声を聴くこと、自分でグッズを作ったり絵を描いたりと人それぞれです。その楽しみ方の一つに、「応援している相手が成長するのを一緒に見ること」があります。

今回は福岡ソフトバンクホークス（以下、ホークス）やアビスパ福岡など、幅広くスポーツの応援をしている清水さんに、推し活の楽しさや魅力、仕事との両立についてお話ししていただきました。取材当日もホークス2軍の応援にタマスタ筑後を訪れているということで、まさに推し活の最中でした。

もともとはアイドルの追っかけだった推し活

父が野球好きだったので、小さいころからよく試合を見ていました。ただ、見るといっても趣味程度でテレビで見るくらいで、大学の頃はアイドルとかが好きだったのでもともとはその追っかけをしていました。でもコロナになってからアイドルのライブやイベントが軒並み中止になってしまって、やることがないなと思っていた矢先にプロ野球が再開したんです。観客も入れるようになる、という話を聞いて、10年ぶりくらいに試合を見に行きました。そうしたらそれが本当に楽しくて！それをきっかけに、もう4年くらいずっと全国各地をまわって応援しています。仕事が忙しい月とそうでない月があるのでそれによりますが、多い月はサッカーも含めると10回ちょっと、少ない月でも5～6回は試合を見に行きます。

楽しみは成長の過程を一緒に見ること

ホークスに関して言えば、ファームと呼ばれる2軍や3軍の選手を見るのが好きなんです。熊本の実家に帰省した際、ほかの球場より近い場所にあることから2軍球場に行ってみました。そこでグラウンドとの近さや、移動する選手を間近で見られる距離感に惹かれ、また当時2軍にいた柳町達選手のバッティングを見て惚れたことをきっかけに2軍にハマって筑後*1に足を運ぶようになりました。

1軍の選手は全てがハイレベルなんですが、2軍や3軍の育成の選手は何か1つすごく得意なところがあってドラフトに引っかかっていて、まだ完成してない分、試合に行くとその選手のいいところがすごく目立って見えるんですよね。すごく足が速いとか、守備がうまいとか、バッティングがうまいとか。そんなふうに、この選手はこういうところがすごいんだなっていうのを見るのが好きです。それと、その選手がどんどん成長していく過程を一緒に見たいというのもあり、最近は2軍から4軍まで応援しています。

*1：タマスタ筑後というホークスの2軍、3軍、4軍の試合が開催される球場がある。

推し活は試合を見ること以外にも

試合を見に行く日は、早起きできたら練習から見ます。ただ、2軍や3軍の試合は球場が中心地から離れた場所にあることも多く、行けるところは車で行くことが多いので移動に時間を使います。遠征の場合は、その場所で観光やご飯を楽しむことも多いです。試合が始まる前にその土地で観光して、試合開始前に球場に到着して試合を見て、終わったらまたその土地のご飯を食べています。

それと、今ファームに応援したい育成の選手がいるんですが、その選手の誕生日などのイベントがあるときは、1週間前くらいに差し入れを買って準備することもあります。あとは試合中に一眼レフで写真を撮るので、その写真をインスタにアップもしていて、試合がある日以外も日々推し活をしています。

やりくりは1年分の計画を立ててから

私は塾で働いているのですが、仕事の日はもう仕事しかできないです。少し特殊な働き方で週3で休みがある代わりに1日の労働時間が結構長いので、仕事のシフトに合わせて推し活は休みに詰め込んでいます。

ただ、会社は年俸制なので1年間のスケジュールも最初に全部出るんです。なので、そのスケジュールが出たらまず最初に1年分の計画をたてます。「この休みはこの試合に行こう」「この休みはこの遠征に行こう」とある程度決めて、いつもそれをもとに動いています。逆に、授業はそのスケジュールで決められているので有休は決まった日にしか取れないですが、キャンプは有休消化期間とかぶっているので、1週間くらい有給を取って応援しに行くこともあります。

また、そのスケジュールをもとにお金の管理もしています。この月は支出が多くなりそうだから今から貯めておこう、みたいに調整しています。ただ、試合に行く頻度が高いので、節約できるところはしてうまくやりくりするようにしていて、例えば行けるところは車で行くようにしています。特に、高速を使わなくても行ける距離なら下道で行きます。福岡の自宅から山口まで高速を使わないと5時間くらいかかるのですが、それくらいなら全然下道で行っちゃいます。

いつの日か仕事でスポーツと関われたら

私はモデルなどの活動をしていて、ホームページのモデルや撮影会、イベントのコンパニオンやレースクイーンといったお仕事もしています。その活動の中で「スポーツが好き」ということを公言しているので、いつかそれに関わるイベントや仕事に携われたらいいなと思っています。スポーツに関われるだけで十分ですが、自分の推しているチームを応援できるチャンスがあったら、それはすごく嬉しいことですね。

まだまだ少ない仲間

やっぱり2軍とか3軍といったファームを追いかけている人って本当に少ないんです。いつも球場にいる人はもう顔が分かってきちゃうくらいで。ファームの応援は本当に楽しくて、1軍とはまた違った良さがあります。普段は1軍を応援している人も、ほかの競技でも「芽が出る前の選手が好き」という人も、良く知らないという人も、是非ファームの楽しさや魅力に一度触れてほしいと思います。