競合企業の情報を効率的に収集するテクニック

商談や社内での提案など、ビジネスにおいて競合の情報収集が必要になる場面はたくさんあります。競合の情報は徹底的に調べたいですが、一つ一つ調べるのは大変ですよね。そんな時に、情報収集を効率化するのに役立つ検索テクニックやツールを紹介します。

なお、競合企業の動きを網羅的に調査するには、複数の検索キーワードを試すことが肝心です。これから紹介する方法を組み合わせて検索しましょう。また、ヒットした記事内で関連キーワードが見つかったら、それをもとに深掘りして検索するのもよいでしょう。

公式サイト内検索

競合他社の公式ウェブサイトには、事業概要、新製品情報、ニュースリリースなど重要な情報が詰まっています​。サイト内検索機能やトップページのメニューから探すことも可能ですが、「site:」演算子を使えば、記事に指定されたカテゴリやタグなどに関係なく網羅的に情報を検索することができます。

ニュース & プレスリリース

競合の社名で検索して「ニュース」タブを開くことで、最新の報道やプレスリリースをチェックすることができます。また、プレスリリース配信サイトの「PR TIMES」などをキーワードに含めて検索するのも有効です。

IR情報の収集

上場企業が競合の場合、決算説明資料や有価証券報告書に貴重な情報がたくさん含まれています。これらは多くがPDFで公開されているため、「filetype:pdf」演算子を使って検索するとよいでしょう。

また、競合の市場シェアや成長戦略が知りたいときは、証券アナリストのレポートや業界紙の記事も有用です。社名と「シェア」「市場」などのキーワードも加えて検索してみましょう。

専門データベース・業界サイトの活用法

一般的なウェブ検索だけでなく、信頼性の高い専門データベースや業界団体のサイトも情報収集に大いに役立ちます。特に市場規模や統計データ、専門的な分析が必要な際には、公的機関や調査機関のデータを積極的に参照しましょう。ここでは代表的なサイトをいくつか紹介します。

官公庁の統計ポータル

日本政府各省庁は毎年膨大な統計データや白書を公開しています​。例えば総務省統計局が運営する「e-Stat」では、国が実施した各種統計調査の結果を検索・ダウンロードすることができます。

画像: 官公庁の統計ポータル

業界団体・協会のサイト

各業界の業界団体は、自社業界の統計や実態調査レポートを定期的に発表しています​。例えば、自動車業界なら「日本自動車工業会」、製薬業界なら「日本製薬工業協会」などがあります。こうした業界団体を探し、公式サイトにある「資料」「統計情報」といったページから情報を深掘りしていきましょう。

民間の調査会社・シンクタンク

民間企業による市場調査レポートや分析資料も貴重な情報です​。シンクタンクや調査会社が発表するサマリーは、ニュースリリースとして無料公開されることがあるので、「スマートフォン 市場規模 矢野経済 調査」のように検索すれば最新調査結果の一部を入手できるでしょう。ただし、詳細なレポートは有料の場合も多いため、必要に応じて購入を検討しましょう。

ビジネス記事データベース

「日経テレコン」や「Factiva」などの有料データベースを使うと、過去の新聞記事や業界誌の記事をまとめて検索することができます。金額だけ見ると安くはありませんが、世界の業界動向、競合他社の動向など、それだけの価値のあるプレミアムなビジネス情報を収集することができます。

統計・データを素早く見つけるための検索式

レポートやプレゼン資料においては、具体的な数字や統計が求められます。ここでは、欲しいデータを効率的に探し出すための検索式を紹介します。なお、数字や統計データは出典の信頼性確認が重要です​。検索で見つけた数値は、可能であれば元データが誰によっていつ集計されたものかをチェックしましょう。

ファイル形式で絞り込む

信頼性の高い統計や報告書はPDFやExcel形式で公開されている場合が多くあります。Google検索では「filetype:」演算子でファイル種類を指定することが可能です​。例えば市場レポートを探すなら「filetype:ppt」、数値データそのものが欲しければ「filetype:xls」のように目的に応じて使い分けて検索をするとよいでしょう。

公式統計を狙ったドメイン検索

政府や国際機関など公的機関のデータを探す際は、「site:」演算子を使ったドメイン検索が有効です。特に総務省統計局や経産省、厚労省などのページは「.go.jp」ドメインで統一されているため、この方法で信憑性の高い情報を幅広く集めることができます。

AND・ORやフレーズ検索の活用

複数の視点からデータを探りたいときは、検索演算子のORや引用符("")を使いましょう。例えば、ある業界の成長率を知りたいときに「成長率」では見つからなければ、「成長率 OR 年成長率 OR CAGR」のようにORで同義語を並べて検索します。

また、特定のフレーズそのもの(例:「年間5%成長」)を含むページを探したい場合は、そのフレーズを引用符で囲んで完全一致検索します。こうすることでピンポイントな情報を逃さず拾うことができます。

【実践ガイド】情報収集の自動化:アラート設定とRSSの活用

ここまで紹介したテクニックを日々の業務で活かすには、情報収集を自動化しておくと便利です。特定の業界や領域における情報をその都度探していては、膨大な時間がかかってしまいます。そこで、アラート設定やRSSを活用することで、効率よく最新情報を集めることができるようになります。

Googleアラートでキーワーチェック

アラートを活用すると、指定したキーワードに関する新着情報を自動で知らせるように設定することができます。Googleが提供する「Googleアラート」は無料で使うことができ、設定も簡単です。

画像1: Googleアラートでキーワーチェック

まずGoogleアラートのページにアクセスし、情報を追いたいキーワードを入力します。なお、一般的な単語だけでは関係のない情報まで届いてしまうため、キーワードはなるべく具体的に設定しましょう。情報源の種類なども含め、適切な絞り込みができると精度も上がります。

次に「オプションを表示」をクリックし、通知の頻度(見つかり次第/1日1回/1週1回)、ソース(ニュース・ブログ・ウェブ・フォーラム 等)、言語や地域、配信先(メールまたはRSS)を選択してアラートを作成します​。

画像2: Googleアラートでキーワーチェック

これだけで、今後そのキーワードが含まれるニュースやページが新たに公開されると、設定に応じて通知を受け取ることができます。

RSSで情報を一元管理

RSS(Rich Site Summary、Really Simple Syndication)とは、Webサイトの新着記事や、更新情報の要約などを配信する技術です。「RSSリーダー」というツールや、RSSに対応したブラウザを使用すると、自分が見たいメディアの新着記事や更新情報をまとめて閲覧することができます。

例えば、公式ブログやニュースサイトのフィードもまとめて登録しておくことで、自分専用の業界ニュースマガジンを作ることもできるのです。なお、Googleアラートの配信先をメールではなく「RSSフィード」に設定することも可能です。

さらに、SlackやMicrosoft Teamsと連携することができるため、RSSアプリをインストールすると、指定のチャンネルに新着情報が投稿されるように設定することもできます​。これにより、チームメンバーと最新ニュースを共有しやすくなります。

まとめ

今回は、ビジネス情報を効率よく正確に集めるテクニックを紹介しました。情報収集のスキルは、効率化だけでなく、仕事の成果にも直結します。正確な情報を早く見つけられることは大きな強みになるので、紹介したテクニックをぜひ実践し、日々の業務に役立ててください。

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