就職活動は、自分に合った業界や企業、職種を見つけ、しっかりと準備をするために多くの情報が必要です。そんな時に役立つツールの一つが「Genspark」です。Gensparkを活用することで、就職活動で効率的に情報を集めることができ、より自分に合った会社選びにもつながります。今回は、Gensparkをどのように就職活動で活用できるか、具体的な例とともに解説します。
「Genspark」とは?
「Genspark」は検索に特化した生成AIです。質問に対して、複数のソースを参照して情報をまとめて結果を生成してくれます。
Genspark:https://www.genspark.ai
Gensparkの一番の特徴は、質問した内容に対してリアルタイムでデータを収集して記事のような形でまとめてくれること。いろいろなWebサイトを見てまわることなく情報を得られるうえに、記事のような形で画像や動画も挿入されているので、読みやすくわかりやすい形で情報を知ることができます。
また、Gensparkの良いところが大きく次の4つです。
・データの質にこだわっており、最新で信頼性のある情報を提供してくれる
・広告がなく、見やすく商業的なバイアスがかかっていない
・生成された内容に質問することで情報を深掘りできる
・完全無料で利用できる(現在はベータ版のため、今後有料化の可能性あり)
「ChatGPT」や「Gemini」などのチャット型のAIとは異なる、新たな形の生成AIとなっています。
基本的な使い方
使い方も簡単にご紹介します。
まず、Gensparkのトップページにある検索窓に、検索したいことを入力します。すると、AIによる検索結果の画面が表示されます。
この画面には、文章でまとめられているものや、画像や動画がまとまっているものなど、いくつかトピックがあるので、気になるものをクリックしてみましょう。
すると、AIによる検索結果が記事のような形式でまとめられたページ(Sparkpage)が表示されます。
このSparkpageと呼ばれるページが、Gensparkの大きな特徴なのです。Sparkpageには、質問に対してAIが探してきた情報が1つのページに記事のようにまとまっています。
また、Sparkpageは編集が可能なので、情報を追加したり削除したりすることもできます。さらに、保存も可能なので、後から見返したり人に共有したりすることもできるので、情報の収集から保存、確認までを効率的に行うことができるのです。実際に、ここで生成した「就職活動に必要なこと」のページはこちら
から確認していただけます。
Gensparkは活用できる場面がたくさんありますが、その一つとして今回は「就職活動」での活用例を、実際に実践しながらご紹介します。どんな企業があってどんな事業をしているか、競合となるのはどんな企業か、業界の現在や将来性はどのようになっているか……就活ではさまざまな情報が必要になります。そんな時、このGensparkはきっと大きな助けになること間違いなしです。
業界研究での活用とGensparkの基本の使い方
就活をするうえでまず必要になるのが業界研究。Gensparkは最新の情報から検索できるため、業界の動向や最新ニュース、トレンドなどを知るのに役立ちます。例えば、次のような観点で質問をすると良いでしょう。
・興味のある業界の動向や将来性
・業界内の主要企業や新興企業について
【活用例:航空業界について知りたい場合】
航空業界について知りたい場合を想定して、Gensparkで情報を集めてみます。まず、業界を知るために「航空業界の概要と動向、将来性」と質問してみます。
すると、この質問だけで「市場規模」「職種と仕事内容」「課題とトレンド」「将来の見通し」「就職事情」をまとめてくれました。
例えば、市場規模については海外も含む日本の市場についてが端的にまとめられています。
そのほかにも、トレンドや将来性、就職事情についても同様にまとめられています。
また、より詳しく知りたい場合はそれぞれの見出しをクリックするとその解説ページが新たに生成されます。
質問内容に加えて、関連情報や必要な情報を判断して追加してくれるうえ、追加で気になりそうな情報の提案もしてくれるので、業界研究にはもってこいです。知らなかった情報や観点を新たに得たり、より情報を深めたりすることができます。
企業研究での活用と情報比較
業界研究の次に必要になるのが、企業研究です。気になる企業が見つかったら、Gensparkで詳しく情報を集めていきましょう。事業内容や経営理念はもちろん、企業文化や働き方についても検索できるため、自分に合った企業を見つける助けとなります。その際は、下記のような観点で検索するのが良いでしょう。
・志望企業の事業内容、経営理念、企業文化
・企業の財務状況や業績
・最近のニュースやプレスリリース
・他社との比較
【例:日本航空について知りたい場合】
日本航空という企業について知りたい場合を想定します。まず、「日本航空の事業内容、経営理念、財務状況や業績」で検索をかけたところ、次のようなページが生成されました。
「事業内容の概要」「経営理念とビジョン」「財務状況の現状」「業績の推移」「今後の展望」「関連動画」の見出しで、画像と共に詳しく解説されています。特に数字がかかわる財務状況については、近年の傾向だけでなく、どうして数字が増えたか、増えたことで何に影響があるかなども含めて簡潔にまとめてくれていることが分かります。
また、一つの企業についてのみならず、複数の情報をもとにした比較も可能です。例えば「日本航空と競合他社の比較」で検索してみます。
すると、「業績比較」「社風の違い」「サービスの特徴」「ランキングと評価」「選考対策」という項目で情報をまとめてくれ、最初の「はじめに」では要旨を箇条書きにしてくれました。
これを見れば短時間で競合他社との比較をすることが可能です。こちらでも同様に、気になった項目があれば、タイトルをクリックして別ページを生成したり、掲載されているソースに遷移して元情報を確認することもできます。
さらに、「選考対策」ではそれぞれの選考の特徴もまとめてくれており、ユーザーが欲しい情報を想定してまとめてくれる点でも、Gensparkは就職活動に非常に役に立ちます。
職種研究での活用とチャットでの追加質問
志望する企業が決まってきたら、次にどの職種に応募するかを決めるための調査が必要です。その場合は下記のような観点で質問すると良いでしょう。
・様々な職種の具体的な仕事内容
・各職種に必要なスキルや資格
・自分の経験や持っているスキルを生かせる職種
【例:どんな仕事や職種があるか知りたい場合】
「JALで働く際の具体的な仕事内容」で検索してみます。すると、次のようなページが生成されました。
「業務企画職の役割」「運航乗務員の仕事内容」「客室乗務員の業務」「グランドスタッフの役割」「整備士の業務内容」「採用情報とキャリアパス」という項目で、参考になりそうな動画も含めてかなり詳細にまとめられています。
これらに加えて、職種について知りたいため、右側のチャットで「JALの職種詳細」を質問してみましょう。
このように、職種の概要を端的にまとめてくれました。また、特に気になった職種があればさらに質問して深掘りをすることも可能です。
また、例えば「事務の経験が生かせる職種」のように質問をすれば、自分のキャリアや経験を生かせる職種も一瞬で探すことができます。
このチャットでの検索機能は、情報を広げたり深ぼったりする際に非常に有効です。新たなページを生成することなく、同じ画面上でできるので、業界用語の質問などにも役立つでしょう。Webサイトやタブを複数開くことなく情報収集ができるようになれば、時間短縮にもつながります。
Gensparkを使って情報収集する際の注意点
Gensparkはデータの質にこだわっているとはいえ、収集してまとめているのはAIなので、すべての情報が必ず正確であるとはいえません。自分で情報を吟味したり、一次情報を見に行ったりすることが、より効果的な活用には必須なのです。Gensparkを使って情報収集する際には、特に次の5つの観点で内容を吟味するとよいでしょう。
情報の正確性と信頼性
AIが要約した情報が常に正確であるとは限らず、ネット上の誤情報をもとに誤った情報を含めてしまう可能性もあります。Gensparkで検索した際、AIの検索結果やSparkpageにはソースのリンクをまとめて表示してくれます。そこから情報元のWebページも確認し、そのページの正確性や信頼性も含めて、総合的に情報の正しさを判断しましょう。
バイアスの影響
Gensparkは、商業的な影響をできるだけなくそうと作られていますが、そもそもAIが学習したデータ自体に偏り(バイアス)がある可能性があります。これにより、ある特定の思想や考え方に検索結果が影響されることもあるので、出てきた情報に偏りがないか確認することが大切です。
サービスの安定性
Gensparkはまだベータ版(試験的に公開されている状態)なので、予期せぬエラーが起きたり、機能が急に変わったりすることがあります。すべての情報収集をGensparkだけに頼ったり、これを使うことを前提としたりするのではなく、サービスがまだ試験的なものであることをふまえて、あくまでも一つの手段として利用しましょう。
言語の制限
Gensparkは日本語にも対応していますが、海外の情報と比べると日本に関する情報が少ないことがあります。日本に関する特定の情報を探す際は、他の検索エンジンも一緒に使うとよいでしょう。
まとめ
Gensparkは情報の検索に特化したAIであり、たくさんの情報が必要になる就職活動に活用しない手はありません。自分だけでは得られなかった情報の切り口を得たり、広げたり深めたりと、うまく活用することで自分に合った職探しをサポートしてくれます。新卒採用でも中途採用でも利用することができますし、今は誰でも無料で気軽に始めることができるので、是非積極的に活用してみてください。