株式会社ビズリーチが運営する「ビズリーチ WorkTech研究所」が実施した最新の調査によると、ビジネスパーソンの約7割が「現在所属している企業で希望のキャリアを築いていけない」と感じていることが明らかになりました。この調査は、ビズリーチ会員1,290名を対象に年代別のキャリア観を分析し、各年代の特徴や課題を浮き彫りにしています。
年代別キャリア観の特徴:40代は分岐点、20代・30代の経験が鍵に
調査によると、ビジネスパーソンは20代を「幅広い経験を積む時期」と位置づける傾向が強く、73.5%が「多様な経験を身につける」ことを目指していると回答しています。30代では方向性が変わり、「専門性を磨く」(63.4%)が最重要とされ、特定のスキルを深める時期と捉えられています。
そして注目すべきは40代の結果です。「管理職として経験を積む」(63.8%)が最多である一方で、「複数の高い専門性を磨き、希少性を高める」(51.0%)も上位に挙がりました。この結果は、40代がキャリアの分岐点であることを示しており、従来のマネジメント職への道を進むか、専門性を追求して希少性を高めるかの選択が迫られる年代であることを物語っています。
50代になると、「スペシャリストとして組織の責任者を務める」(38.8%)というキャリア志向が目立つようになります。これは、専門性を武器にリーダーシップを発揮するという新しいキャリアの形を反映しているといえるでしょう。
転職が重要な選択肢に:企業への期待と課題
調査ではまた、約7割のビジネスパーソンが現在の企業で希望のキャリアを築けないと考えており、その中で「転職をする」(65.2%)が希望のキャリアを築く手段として最も多く選ばれました。一方で、「副業をする」(10.0%)や「本業を続ける」(7.0%)は低い結果に留まりました。
この現状を受け、ビズリーチ WorkTech研究所の友部所長は「転職がキャリア形成の重要な手段となっている今、個人が20代から50代までのキャリアを逆算して設計することが重要です」と述べています。また、企業側には「従業員のキャリアパスに透明性を持たせることや成長機会を提供することが求められる」と指摘しました。
主体的なキャリア形成が鍵
この調査結果は、働く世代が自分自身のキャリアを主体的に見直すきっかけとなります。特に40代では、キャリアの選択が重要な時期であり、自分の価値観やライフステージに合った選択をすることで、より充実したキャリアが築けるでしょう。
調査概要
- 調査内容:キャリア観や転職に関するアンケート
- 調査対象:ビズリーチ会員
- 調査期間:2024年4月22日~2024年5月5日
- 有効回答数:1,290