年末が迫ってきて、大掃除や今年のものの整理整頓を意識し始める頃なのではないでしょうか。そんな中で、何からしたらよいか分からない、時間がない、結局また散らかってしまう、といった悩みを抱えている方はいませんか?片づけは日々続いていくものであり、手を抜くことも本気でやることも可能で、自分の裁量に大きく左右されるものだからこそ難しいですよね。今回は、片づけのプロである黒崎ひかり(ぴょり)さんに、取り組む前に知っておくべきこと、何から取り組んだらよいかといった片づけのキホンについてお話ししていただきました!

話を聞いた人

黒崎ひかり(ぴょり)さん

元看護師。汚部屋に33年間住んでおり、新築が決まったことをきっかけにInstagramで情報収集を始め、整理収納に出会う。その後、整理収納アドバイザーの資格を取り、起業。現在は全国での片づけ講座の開催や、オンラインスクール、Instagramやブログ、Voicyなどでの発信を通じてたくさんの人の「片づけ」をサポートしている。
https://www.instagram.com/pyori_ismart

片づける前に!知っておいてほしいこと

「掃除が大変」「収納がうまくいかない」「片づける時間がない」と悩まれている方は多いのではないでしょうか?そうしたお悩みを解消するために、まずこれだけは知っておいてほしい!ということがあります。それは、「掃除」「整理」「収納」「片づけ」などはそれぞれ違うものだということです。

画像: 片づける前に!知っておいてほしいこと

これは整理収納の基本を表すピラミッドです。土台となる下の部分から積み上げていくことが、崩れにくい片づけの仕組みをつくる上では重要になります。

部屋を綺麗にする、片づけるというと「掃除」をイメージするかもしれませんが、この図を見ると掃除はだいぶ上の方にありますよね。実は、まず整理をしないと収納ができないし、収納ができないと整頓は意味がないし、それらができてないと掃除が大変になる……という関係性にあるんです。だから、暮らしを整えるためには、それができるための土台づくりが最も大切で、その方法が「整理」なんです。

「整理」とは不必要なモノを取り除いて、使うモノだけにすることです。そして、それらをどこに置いたら使いやすいかを考えて、使いやすさを追求するのが「収納」。つまり、使いもしないモノをしまい込んでいるのは収納とは呼べないんですね。さらに、元に戻したり見た目を整えたりするのが「整頓」です。整理・収納・整頓、この3つを「片づけ」と呼びます。

ようやくその先にあるのが「掃除」です。でも、片づけができて土台がしっかりできた状態だと、掃除に取りかかるハードルが下がってやりやすくなります。逆に、片付いていないのに掃除を始めても、結局片づけができておらず、ずっと整わないままの状態になってしまうので、土台作りがとても大切です。

整うだけじゃない!整理の効果

整理には3つの効果があると言われています。

時間的効果

片付いていない人は、捜し物をするのに1日約20分もの時間を費やしているそうです。しかも、これは日常の中に細切れで存在しているので、気づかないうちにそれだけの時間が奪われているんですよね。つまり、片付いてる人と片付いていない人では、3日で1時間、1年間で122時間もの差が生まれてしまいます。よく「時間がなくて片づけられないんです」というご相談もいただくのですが、実は逆で、片付いていないから時間がないということなんです。

精神的効果

整った部屋や暮らしは落ち着きますよね。疲れて帰ってきたのに、部屋が散らかっていてストレスが増す、という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。整理されていると、探しているモノが見つからずに外出前に慌てる、なんてこともありません。

経済的効果

普段気にすることはあまりないかもしれませんが、実はモノにも家賃がかかっています。実際に、部屋の広さと収納に使っている広さで計算してみると、大体いくらかかっているかがわかります。

これには私の実体験がありまして。昔、私はモノが大量にある汚部屋に住んでいて、大きい家を建ててたくさんの収納をつければ片付くと思っていたんですよ。でも、整理収納アドバイザーの勉強をする中で整理が大事だと知り、家作りを白紙にしてやり直したんですね。それで、収納のために作っていた不要なスペースをなくしていったら、2,000万円の節約に繋がったんです。モノを持つことにはそれだけのお金がかかっているということなんです。

捨てたいけれど捨てられない。どうしたらモノを捨てられる?

「いつか使うかも」「何かに使うかも」となかなか捨てられない方は多いと思いますが、私も住んでいた汚部屋から脱出するのにそういう気持ちと戦ってきたので、すごくよくわかります。「いつか使うかも」「痩せたら着る」など、理由もあいまいなまま持っているモノが本当に多くて。似たような服を大量に持っていたし、自分の趣味の同人誌や漫画も大量にあったし、テーマパークのお土産の缶や綺麗な紙袋なんかもありました。

そんな私がモノを捨てられるようになったのは「ものを持つことは時間とお金を失っている」と気が付いてからでした。モノにも家賃がかかるし、探すために日々時間が奪われるし。それからは、高い住宅ローンを組んで固定資産税を払ってでも持ちたいと思うモノだけを持つと決めたんですね。それで、当時は「100キロ捨てる」と目標を立てて、体重計に乗せて測ってから捨てるようにしていました。すると、測れるモノだけで400キロは捨てることができたんです。

だから、捨てるうえでの判断基準があったらいいなと思います。ただ、いきなりは難しいので、まずは「失っている」という意識を持つこと。モノを持つということは、見えないモノをどんどん失っていると気づいてほしいです。

モノの捨て方

基本的には「捨てる」「あげる」「売る」の3つのパターンがあると思います。また、「売る」の中にも、フリマアプリやリサイクルショップ、買取アプリなどがありますが、私がよく使っていたのは買取アプリです。中でも特に使っていたのは「Pollet(ポレット)」ですね。

買取アプリはダンボールに詰めて送るだけで査定してくれて、勝手にチャージしてくれます。とにかく手間がかからない一方で、査定額はフリマアプリよりも低くはなりますが、一つずつ売るのが面倒くさい人や、私のようにものが多すぎるような人にはおすすめです。

Pollet:https://www.pollet.me

画像2: 年末の片づけの前に知っておきたい!整理収納アドバイザーが教える整理・収納の基本とコツ

まずはここから!最初に取り掛かると良い場所

最初は財布やポーチ、バッグなどの小さい範囲からでいいのですが、しっかりやるなら冷蔵庫パントリーがおすすめです。例えば、クローゼットをやりだすと「いつか着るかも」「ちょっとしたパーティのときに着るかも」といろいろ言い出して、結局捨てられなくて終わる場合や、モノが多くて時間がかかりすぎる場合があるんです。

でも、冷蔵庫やパントリーなら、捨てる基準を自分で決めなくていいんですよ。賞味期限や消費期限があるので、それが切れているモノは処分すると決めれば進めやすいし達成感も得られます。また、毎日開けるので効果を実感しやすい場所でもあります。

画像: まずはここから!最初に取り掛かると良い場所

これからも続く片づけ。お子さんも一緒に

整理や収納って終わりがないんですよね。家族構成やライフスタイルが変われば必要なモノも変わっていきますし。だからこそ、お子さんと一緒にするのがおすすめで、お子さんにとってもメリットが多いんです。

まず、「決断力」がつきます。モノへの思い入れは自分にしか分からないので、まだ幼くても「これ使ってる?使ってない?」と聞いて子どもに判断させるようにしていく。すると、使っているかどうか、使うかどうかの決断ができるようになっていきます。新しく欲しいモノがある時に、代わりに何かを手放すようにするのも一つの手です。そして、毎日使ったら戻すようにすることで、「継続力」もつきます。

そうすると、やがて人生に必要なものを選び取る力が育まれると思うんです。これは私自身が感じたことなのですが、整理が人生に不要なモノを手放してくれたんですね。それと同じことがきっと起こると思っています。例えば、勉強も必要性を感じれば自分から始めるとか。

決断力・継続力・人生を選び取る力、この3つの力をつけるためにも、ぜひお子さんと一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか?

画像: これからも続く片づけ。お子さんも一緒に

This article is a sponsored article by
''.