38年ぶりの阪神日本一。この勝利に、日本中のファンが歓喜に沸きました。選手たちはもちろん、長年応援してきたファンの喜びはひとしおです。
阪神ファンのmさんは、Instagramで応援する様子を発信している方です。数年前までは野球に無縁だったというmさんですが、今やその存在がとても大きなものになっているのだとか。そんなmさんが野球ファンになったきっかけや、現在の野球の楽しみ方、自身の中でどんな存在かについてお話ししていただきました。
始まりは一枚のユニフォーム
阪神ファンになって3年目なのですが、ファンになるまではスポーツに関わる機会がほとんどなく、「野球よりはサッカー派かな」と思っていたくらい野球に無縁だったんです。
そんな中でも野球にはまったきっかけは妹夫婦でした。妹の旦那さんが幼い頃から野球ファンで妹と2人で野球観戦に行っていたのが楽しそうで、私も一度見に行ってみたい、という話を以前からしていました。なかなかその機会がないままだったのですが、3年ほど前、バレンタインに妹の旦那さんに義理チョコを渡したら、ホワイトデーのお返しに野球のユニフォームをいただいたんです。
「3人で野球観戦に行きましょう」とプレゼントしてくれたものだったので、それを着て一緒に試合を見ることにしました。コロナ禍だったのでテレビ観戦だったのですが、ルールもあまり分かっていない中でも4時間近くある試合を楽しむことができて、じゃあ次は現地に行ってみよう、と球場に足を運び始めたんです。
それから応援したい推しの選手ができて、本格的にハマり出しました。最初は妹夫婦と3人で月に1回観戦に行くくらいだったのですが、Instagramで野球応援用のアカウントを作って発信をしていくうちに、同じ関東の阪神ファンの女の子と友達になり、観戦に行く機会が一気に増えました。
停滞と活躍を見届けた3年
一番の推しの選手は木浪聖也選手です。でもここ1、2年は停滞期であまり活躍の機会がなく、選手生命が危うかったんです。チームの拠点である大阪は家から離れているので、2軍に降格してしまったときはそもそも試合を見に行けなかったり、見に行ってもいないことが多かったりと、応援できる機会も少なくて、なかなか思うように応援できない期間もありました。
でも今年は活躍する機会が一気に増えて試合を見に行くたびにスタメンで活躍している姿が見れたので、木浪選手の応援に全力を注いだ1年になりました。最終的にはクライマックスシリーズで MVPを取ったり、阪神優勝の瞬間にスタメンとして出場もしていたりと、ファンとしては彼の活躍が本当に嬉しかったです。
長年の想いが叶った日本一
38年ぶりに阪神が日本一になって、チームの優勝が嬉しかったことはもちろんですが、それと同じくらい阪神ファンの長年の夢が叶ったことが本当に嬉しかったです。
もともと、「ファンの人と阪神が優勝するのを応援したい」という思いからInstagramを始めたので、SNSを通じていろいろな方の長年応援してきた背景や想いを聞いていました。優勝後、その方々のリアクションや感想を見たりして、今まで応援してきた阪神ファンの長年の想いが叶った瞬間だったことをすごく実感しています。
また、木浪選手が今年活躍できなかったら本当に選挙生命が終わるかもしれない状態だったので、そういう意味でもこの日本一はすごく大きいものでした。
今回は、現地に見に行くことができなかったのですが、阪神ファンになるきっかけを作ってくれた妹夫婦と家で3人で観戦しました。テレビ観戦から始まってここまでハマったという経緯もある中で、このタイミングで始まりに立ち返る、みたいな感じになりましたね。
私なりの応援の仕方
今年は結構現地に足を運んでいて、年間で40試合ぐらいは見に行ったと思います。甲子園に3,4回行ったり、北海道へ遠征に行ったりもしました。
現地は、試合前の練習など球場に足を運ばないと見られない姿が見られるのが魅力的です。また、現地に行けば選手をより身近に感じられて、推しの選手が活躍しているところを目の前で見ることができます。そのように、現地に足を運べば会えて目の前で応援できる、というのはスポーツ選手を応援する特権なんじゃないかと思います。
グッズは、同じ女性の阪神のファンの方とお揃いにしたり、推しのグッズを買ったり、ユニフォームのアレンジをしたりしています。購入したユニフォームにワッペンをつけたり、文字の部分をラメのアイロンシートでキラキラにしたりして、自分だけのユニフォームを作るんです。
野球観戦だからといってスポーツカジュアルみたいなコーディネートではなく、可愛さやおしゃれさも取り入れた、世界に一つしかないグッズで応援しています。
がらっと人生を変えた野球の存在
阪神ファンになってから、「趣味は何ですか?」と聞かれたときに野球観戦は一番に答える存在になっています。それまではこれといった趣味がなく、平日は仕事をして休日はのんびり過ごしていたので、固定の楽しみができたことは私の中ではすごく大きいです。
また、野球友達ができたことも大きいですね。社会人になると今までの友達か会社のつながりかの狭いコミュニティになってしまいがちですが、このタイミングで同じ趣味を持つ友達ができたのは、野球の応援をしていなかったら多分なかったと思います。
阪神ファンになってから「人生が変わった」と言うと大げさですが、でもそのくらい野球は人生に良い影響を与えてくれたものです。野球を応援していなかったら得られなかったものの存在が本当に大きいと感じています。それくらい人生に影響するものは、数年に1回あるようなものでもないですし、ここ十数年の中ではがらっと人生を変えてくれたものですね。
仕事と好きなことはバランスを大切に
仕事と野球観戦は、うまくバランスを調整してやりくりしています。金銭面で言えば、野球のために何かをがっつり削っているわけではなく、例えば遠征の際は大阪へ車で行ったり、飛行機やホテルは早めに予約をしたり、ちょっとした食事などで節約したりしています。また、毎月少しずつ貯金ができるようにもしていて、遠征等で大きく費用がかかる時はそこから捻出して調整しています。
最近転職をしたのですが、その際にも資金のやりくりができるだけの収入があるところで、自分の自由に使えるお金がある程度確保できるような会社を選びました。
また、早めに帰ることができて、休みがとりやすいことも会社を選ぶ上で重視しました。前職も現職も事務職なのですが、前職は役職で働いていてひと月の残業が50時間あったり、突発的な残業や休日出勤があったりして、プライベートの時間が確保できなくなっていました。平日に野球観戦の予定を入れていても、どうしても定時にあがれず結局行くのが試合終盤になることもありました。
それでワークライフバランスを整えるために転職を決意したんです。野球だけではないのですが、自分の好きな時間を確保したい、という思いが大きかったですね。今はそれができていて、しっかりバランスが取れています。
これからも応援と発信をし続けたい
これからもInstagramでの発信を続け、一阪神ファンの女性として私の応援スタイルを伝えていきたいです。女の子のフォロワーさんが、ユニフォームの着方やグッズの作り方を参考にしてくださることが結構あるんです。こういう応援の仕方もある、ということをInstagramを通じてこれからもいろいろな人に伝えられたらと思います。
また、変わらず現地に足を運ぶことも多いと思うので、その中で観戦に行った様子も発信して、引き続き同じファンの方々と阪神の優勝を目指して応援し続けたいです。