事務職に必要なスキルはパソコンや事務的なスキルの他に「コミュニケーションスキル」が必要といわれています。「営業や接客が苦手だからあまり人と接するがない仕事がしたい」という理由で事務職を選択する方もいると思います。しかし事務職こそ、コミュニケーションスキルが求められます。ではなぜ求められ、それはどんな場面で必要なのでしょうか?

1. コミュニケーションスキルとは

そもそもコミュニケーションスキルとはどんなスキルでしょうか?

お話が上手で友達が多く常に人に囲まれているようなイメージを描く方もいると思います。ですが、決してお話が上手である事がコミュニケーションスキルではありません。

コミュニケーションスキルとは「相手の意図を読み、意思疎通をスムーズにする為の能力」(諸説あり)です。意思疎通を取るには、決して沢山話せばいいということではありません。

また、メールやチャット、オンライン会議などでコミュニケーションを取る場面も増えてきました。会話だけではなく、文字でのやりとり、オンライン上でのコミュニケーションスキルも上げる必要があります。

2.事務職でコミュニケーションスキルはなぜ必要?どんな場面で必要?

それでは、実際事務職の現場では、どんな場面でコミュニケーションスキルが必要とされるのでしょうか?
「事務職」と一言でいっても一般事務、営業事務、総務事務、人事労務、法務事務、貿易事務、大学事務、医療事務など細かく分かれます。

今回はあくまで広く一般的な事務職で想定される場面を挙げていきます。

(1)社内の人とのコミュニケーション

・同じ部署のチーム
経理業務など多くの作業を、チームで協力しながら分担をして作業を進める画面

・多職種のサポート業務
営業職などの多職種や上司のサポート業務の中で、指示に従い書類を作成したりファイリングをしたりする場面

・他部署とのやりとり
事務職や管理部門内の他部署のやりとりは勿論、営業や製造などの他部署、業種によっては店舗や工場など社内での様々な部署とやりとりや調整をする場面

(2)社外の人とのコミュニケーション

・来客応対
来客者を迎え入れ応接や会議室に案内する、お茶を出すなどの対応

・電話対応
外部の取引先・顧客からの電話応対

・取引先・顧客・エンドユーザーとのやりとり
電話やメールでの問い合わせに対して、その場の応対だけなく、その先もやり取りを重ねる場面。
営業事務の場合は、見積などの発行や在庫の状況から発送状況を伝えるなど顧客や取引先とやり取りを重ねるケースもあります。取引先企業などを訪問することもあります。

上記のような場面で働いている様子を想像しながら、どんなコミュニケーションスキルが必要であるかも考えてみましょう。

3.事務職に求められるコミュニケーションスキル

実際に事務職では、どのようなコミュニケーションスキルが必要とされるのかを紹介していきます。

(1)聴く力(傾聴力)

表情やうなずき、相槌などで相手が話しやすい雰囲気を作ります。多くの情報や言葉を引き出すと共に、相手が本当に伝えたい事は何なのかを見極め、必要な箇所を更に質問などで掘り下げていきます。的確に情報をつかんだ上で作業に入る事で、円滑かつ間違いなく仕事が進みます。
しっかり話を聞いてくれる事で相手は「あなたがしっかり話を聞いてくれた」と安心し、信頼関係が生まれます。

(2)伝える力(伝達力)

こちらの意図や必要な事を、相手の立場や理解度に合わせて、的確に伝える事が必要です。時にはたとえ話を用いるなどわかりやすい説明の仕方に加えて、話すスピードやトーンも重要となります。

また結論から話すなど論理的な話し方も有効となります。

伝える力の中には、会話だけではなく、メールやチャットなど、言葉や文章で伝える場面も多くなります。文章力や言葉の選び方、伝える順番や箇条書きにするなど、文字で伝える力も必要となります。

(3)洞察力(察する力)

洞察力とは、相手や周囲を観察した上で、目に見えない部分まで推察し、何を求めているのか、何を必要としているのかを察する力です。相手が言葉できていない本音や課題もくみ取り、見抜く事で問題解決に繋がったり、先回りして必要な事を提案したり準備する事ができます。

(4)非言語コミュニケーション

やりとりをする際やお願いをされた際に、嫌な顔をせず笑顔で対応する、堂々と対応するなど言葉以外で伝え印象(非言語コミュニケーション)も大切です。口では「わかりました。やっておきます」と言っていても、しかめっ面であったり自信なさそうな態度だったりでは、お願いしにくくなってしまいます。
あなたも社内や友人知人の中で一番頼み事をしやすい人を一人挙げてみてください。浮かんだ方はきっと何かをお願いした時に、笑顔での受け答えや頼もしい応対をしてくれそうな人ではないでしょうか?

4.コミュニケーションスキルを高めるには

それでは、どのようにすればこのようなコミュニケーションスキルを高められるのでしょう。日々の中で実践できそうなことを下記に挙げます。できる所から意識をしてやってみましょう。

コミュニケーションスキルを高めに実践できる事

(1)態度と聴く姿勢

・笑顔で挨拶や応対をする
・相手の話を丁寧に聴く
・うなずきや相槌を意識しておこなう
・相手の話を否定しない

(2)話し方を工夫してみる

・結論から話す
・例え話をする
・プラスの言葉を使う
・相手のトーンやスピードにあわせた話し方をする
・論理的な話し方と取り入れる(PREP法など)

画像: (2)話し方を工夫してみる

(3)意識する

・できない理由を探すより「どうやったらできるか」を考える
・相手の気持ちを考え想像してみる
・非言語的コミュニケーションに注目して察する

これらのスキルは、学んですぐに明日からできるようになるものではありません。日々の仕事でもプライベートでも、ちょっとした事から意識をして実践してみましょう。少しずつかもしれませんが、着実に自身のスキルとなっていきます。

事務職にとどまらず、あらゆる職種で活かせる事は勿論、友人や家族、恋人や恋愛でのコミュニケーションでも活かせるスキルとなります。日々のコミュニケーションに楽しく取り入れてみましょう。

まとめ

事務職だからこそ必要なコミュニケーションスキルについてお伝えしました。
「あの人に仕事を頼みたい」「安心して頼める」といった信頼関係が生まれ、業務が円滑に進む事が何より必要な事です。実際事務職に従事している方に話を聞いたところ「仕事を頼まれることが多いが、他の人や他部署にお願いする場面も多く、普段からコミュニケーションを円滑にしておくことで、お願いしやすい環境作りをしておく事も大切である」とのことでした。
頼みやすい人、頼まれたら協力したいと思う人、どちらの場面でも一番に顔と名前が浮かぶ、そんな人になれば事務職として重宝される事でしょう。

この記事を書いてくれた人

画像: キャリアコンサルタントが解説!
事務職に求められるコミュニケーションスキルとは?

丸井 沙紀 さん

ホームページ・ブログ https://marunoko.net/

保有資格:「2級キャリアコンサルティング技能士」「キャリアコンサルタント(国家資格)」「GCS認定プロフェッショナルコーチ」等。

4,000人以上の相談実績を元に、おとなが相談できる場所として転職活動のサポートをする転職の家庭教師。転職エージェントのアドバイザーを経て現在は転職・学生向け就活の大型イベント内で講演や、職業訓練校・短期大学にてキャリアの授業も担当。

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