書類が通って面接の連絡がきた。久しぶりの面接。「どんな準備をすればいいのだろう」「緊張してしまう」「何を聞かれるのだろう」「この会社絶対受かりたい!」そんな方の為に面接でよくある質問と事前準備、おさえておきたい大切な事を解説させて頂きます。
ここで質問です。もしあなたが面接官だったらどんな人を採用したいですか?
「仕事ができる」「経験豊富」「仲良くなれそう」など色々意見があると思います。
まとめると「一緒に働きたいと思うか」という事ではないでしょうか?
ではどうすれば「一緒に働きたい」と思ってもらうことができるか。面接の流れを想定して具体的に確認していきましょう。
1.第一印象で9割決まる
第一印象から第二印象まで、最初の3分程度で合否は決まると言われています。最初の印象が悪いと、その後どんなにPRをしても良い話をしても残念ながら入ってきません。皆さんも初対面の方との出会いの場で、第一印象が強く残っていないでしょうか?これから紹介する2つの法則を確認し、好印象を与えるように意識しましょう。
(1)メラビアンの法則
人と人がコミュニケーションを図る際の心理学的な法則で、メラビアンの法則があります。
視覚が半分以上を占めています。例えば「私の強みは積極性です。自ら積極的に動き多くの人を巻き込む力があります!」と言葉で言っているのに、暗い表情やひきつった表情で猫背で前髪が目にかかっていては、違和感があります。
面接で何を話すかはとても重要ですが、服装、姿勢、態度、笑顔など見た目の印象も意識しましょう。
(2)3秒・30秒・3分の法則
具体的に面接に当てはめていくと以下のようになります。
この最初の3分間であなたのイメージはほぼ決まってしまいます。特に意識して面接に入りましょう。
(3)好印象を与えるために
・笑顔と笑声(マスクの中でも笑顔を)
・聴く姿勢(うなづき・表情)
・積極的に質問
2.面接でよく聞かれる質問
(1)面接でよく聞かれる質問集
自己紹介でよく聞かれる質問は以下のようなものがあります。
「自己紹介をお願いします」(自己紹介)
「今までの全ての会社の職歴を簡単に説明してください」(経歴)
「今なぜ転職活動をしているのですか?なぜ前の会社を辞めたのですか?」(退職理由)
「弊社を志望した動機を教えてください」(志望動機)
「長所短所を教えてください」(長所短所)
「今まででこれは成功したということは?」(成功体験)
「今までで苦労した経験とそれをどう乗り越えたのかを教えてください」(苦労体験・失敗体験)
「今後のキャリアビジョンを教えてください」(キャリアプラン)
「〇〇さんから何か質問はありますか?」(逆質問)
(2)質問に対する答えを準備
多くの方が悩むのは「転職理由・退職理由」の説明です。そのまま話してしまうとマイナスイメージになってしまう事もあります。とはいえ、嘘は言えません。
どうしたら前向きな印象になるかを考える必要があります。複数回転職している方は、過去全ての退職理由について聞かれる事もあります。退職理由だけではなく、それぞれの質問に対して、正直かつ好印象になる表現、話す順番や長さで適切に伝える事ができるように準備しましょう。
また、成功体験や苦労した体験、仕事内容の具体的なエピソードなどは突然聞かれても中々出てこないものです。事前に思い出し、数ある体験の中からPRとなる内容をわかりやすく説明できるようにまとめておきましょう。
(3)「価値観」や「軸」を知るための質問が増えています。
例えば、成功体験を聞く質問。これは何もすごい事を話せなくてもいいのです。面接官はあなたが何を成功と感じるのかという「価値観」を知りたい質問です。
近年「価値観」や「軸」を知る為の質問が増えています。例えば中学や高校、就活についての質問など「なんでこんな昔の事を聞いてくるのだろう」と思う質問もあります。過去の経験や失敗を掘り下げているわけではなく「どんな価値観で人生を選択してきて今に至るか」という人物像を確認している場合があります。
(4)最低限よくある質問の準備はしていく
面接は人と人との対話・コミュニケーションです。
ガチガチに作りこみすぎたものを棒読みで話しては、あなたの良さは半減します。
対話の中で準備している以外の質問も出てきます。その場その場で、質問の答えになっているかを確認しながら自分の言葉で会話をしていきましょう。
かといって全く準備せずその場で答えれば良いというものではありません。
面接の冒頭で「自己紹介をお願いします」「志望動機は?」と聞かれて、何も準備せず頭が真っ白になってしまっては、緊張は倍増します。
面接官からみても「こんな絶対出る質問に対しても準備していないの?」という印象となります。
また、企業研究は念入りに行い、志望動機に落とし込みましょう。上記に挙げた「よく聞かれる質問」はすらすらと答えられるようにまとめて準備すると良いでしょう。
3.職務経歴書は面接の台本である
面接では書類を元に質問をして深堀していきます。PRすべき事が書いているかどうかで面接の展開も変わってきます。職務経歴書に書いてある職務経験や自己PRの内容見て、興味がある事を面接で深掘りされます。逆に書いていなければ話題にも出ません。
書類の作りこみがいかに大切かということになります。書類については、こちらの記事も参考にしてください。
4.事前準備(対面・オンライン別・共通)
(1)対面・オンライン共通
①前日まで
・準備をした面接対策・話す内容を確認し、声を出して練習しましょう。
・出発時間・経路・地図をしっかりと確認しましょう。(対面)
・接続機器の確認、カメラ・マイク・照明の確認、接続テスト(オンライン)
②面接当日
・スーツ・ストッキング・髪型など必ず全身鏡でチェックしましょう。
新品スーツの場合はタグやしつけ糸が残っていないか注意しましょう。
・靴(汚れ、こすれ、破損)のチェックをしましょう。(対面)
・鏡の前で笑顔を作ってみましょう。
・声だし・発声練習を行いましょう。自分の名前、挨拶、ポジティブな言葉を声に出しましょう。
(2)対面の面接
・会場へは10分前には到着するようにしましょう。(早すぎも遅刻も厳禁です)
・電車遅延や道に迷う事を防止する為、30分前には最寄り駅に到着し、会社の場所を確認、近くの化粧室などで身だしなみチェックや一呼吸おくなどするとよいでしょう。
・最寄り駅に着いた時から態度に気をつけましょう。
企業が入るビル(エントランス・化粧室・喫煙所等)は勿論、最寄り駅や駅、近くのコンビニやカフェ等に応募企業の社員や役員がいる可能性があります。態度・携帯電話の会話等注意をはらいましょう。
・スマートホン・携帯電話の電源は切りましょう。
・受付から面接は始まっています。態度・言葉づかいは丁寧に行いましょう。
・マスクを外しても良い準備を。
コロナ禍になり、マスクでの面接が基本となりました。ただ、お互い表情が見えない為、アクリル板などの感染対策を取った上で、面接本番「マスクを外してください」と言われる会社もあります。マスクを取ることも想定して、メイクや髭を整えておくと安心です。
(3)オンライン・Web面接
・機器・インターネット環境の確認
・Zoomなどの指定のアプリのインストール(表示される名前も確認)
・接続テスト
・明るさ(必要あればライトなどを購入)
・カメラの位置(正面になるよう配置)
・静かな環境
・背景
後ろに散らかった部屋がうつっていたり、洋服がつるしてあったり、趣味のポスターが映り込んだりしないように確認しましょう。背景画像設定をする際は、白などシンプルなものを選びましょう。
・服装の注意
オンラインでの面接の場合には、上半身しか映らない為、下はパジャマ・ジャージで受けているという話を聞きますがお薦めできません。「最後にお互い立って挨拶しましょう」という形で全身映るように促される場合もあります。必ずしも応じなければいけないという事ではありませんが、そういう面接がある事は想定しましょう。
また、カメラが落ちた、立ち上がって遠くのものを取りに行くなど何かしらのトラブルで全身が映る事もあります。対面での面接と同じように服装は全身整えましょう。
まとめ
面接は準備が9割と言われています。「話すのが苦手」「緊張する」という方も、準備をしっかりしておけば、焦る事なく堂々と面接に挑めます。どんなに話すのが得意な方でも準備不足で挑めば良い結果にはならないでしょう。第一印象、よくある質問、職務経歴書の作りこみ、対面・オンラインそれぞれの面接に対する準備を行い、ベストな状態で当日を迎えましょう。
面接は「選ばれる場」ではありますが、あなたにとって合っている会社であるか「選ぶ場」でもあります。双方思い違いによるミスマッチがないよう「相手を知る」「自分の事をしっかり伝える」為にも事前準備や練習を行う事で、あなたの魅力が伝わり、緊張が減る為、落ち着いて企業を知る事ができます。
この記事を書いてくれた人
丸井 沙紀 さん
ホームページ・ブログ https://marunoko.net/
保有資格:「2級キャリアコンサルティング技能士」「キャリアコンサルタント(国家資格)」「GCS認定プロフェッショナルコーチ」等。
4,000人以上の相談実績を元に、おとなが相談できる場所として転職活動のサポートをする転職の家庭教師。転職エージェントのアドバイザーを経て現在は転職・学生向け就活の大型イベント内で講演や、職業訓練校・短期大学にてキャリアの授業も担当。